先入観

「頑張ろう!」


この言葉を見て、みなさんは、どのような感情が生まれたでしょうか?

Aさんは、
「何か目的目標があって、そこに共に団結をして充実している良いイメージ」を持つかもしれません。

Bさんは、
「プレッシャーや強制的なものに感じ、悪いイメージ」を持つかもしれません。


このように、同じ言葉を聞いたり、同じものを見ても、
連想するイメージや生まれてくる感情は、人によって様々であり、
その違いはその人が過去にどのような体験や経験をしたのかによって、決まってきます。


その人のイメージ、感情が生み出される原因は、
「非日常のショック体験」「日常の蓄積型経験」との二つに大別できます。


「非日常のショック体験」とは、ある日突然、犬に襲われたなど、
ある一時的な体験ですが、それがとても強力なイメージを受ける体験、
つまりトラウマや偏見、先入観が強く残る場合を指します。


もう一つの「日常の蓄積型経験」に関しては、
あまりにも当たり前に日常の生活の中で経験しているため、
特に自分ではピンと来ない事が多く、自覚できない事も多いものです。


例えば幼少期の家庭環境で、
いつも食事をするときは家族団欒で会話をしていたのか、
みな無言でテレビを見ていたのか、
またはひとりだけで食事をしていたという、
日々の習慣の蓄積により、「食事」や「家族」のイメージが無意識に形成されるような例です。


このように、人それぞれが過去の経験、環境によって生まれた
「自己流の先入観、イメージ」を持ち、そのイメージに固定されています。


その様な状況で、
「頑張ろう!=ポジティブなイメージ」を持つAさんと、
「頑張ろう!=ネガティブなイメージ」を持つBさんが、
共に仕事をする事になり、
「頑張ろうね!」とAさんがBさんに声を掛けると、
どうなるでしょうか?


同じ言葉に対して、AさんとBさんには違うイメージが発生し、
Aさんは意欲的に前向きにチャレンジする気持ちでいるのですが、
「頑張ろうね!」と声を掛けられたBさんは、
「どうしよう、頑張らなければならない」と重荷に感じてしまい、
仕事のスタート時点から大きな感情のズレが生じる事となります。


同じ言葉であっても、どんな「自己流の先入観、イメージ」で受け取るのか、
また自分と相手では、同じ言葉であっても、それぞれ異なる感情、イメージが生まれ、
コミュニケーションのズレが生じる可能性を、「当然の事」と理解し、常に意識することが重要です。


『HITOTSU学』を活用すると、
コミュニケーションがずれる原因も明確に理解できます。